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LIMA、ライセンシング・ホール・オブ・フェイムに3名のベテラン陣を指名
LIMAは、過去26年で初めて、同一年度に3名の業界人をライセンシング・ホール・オブ・フェイムで表彰する運びとなりました。LMCAの最高経営責任者兼設立者であるアラン・フェルドマン、エピック・ライツの最高経営責任者兼設立者であるデル・フラノ、ウェーヴァリー・プロダクションズB.V.の前最高経営責任者で、BNライセンシングB.V.の現共同社長であるシリル・スペイヤーの3名です。今年度のホール・オブ・フェイム表彰式は、5月23日火曜日、ラスベガスで開催されるライセンシング・エキスポ2017期間中のLIMAライセンシング・アワード授賞式にて行われます。
LIMAプレジデントのチャールズ・リオットは、「当協会は、それぞれの分野で第一人者である3名の飛びぬけたライセンシング・プロフェッショナルを表彰することとなりました。アラン・フェルドマン、デル・フラノ、シリル・スペイヤーの3名はみな、ブランド、音楽、キャラクター・ライセンスの分野で新たな境地を切り拓き、数十年にわたり成功を収めてきた革新者です。3名それぞれがまとまって、ライセンシング・ホール・オブ・フェイムに指名されたのはすばらしいことです」と述べています。
アラン・フェルドマン
フェルドマンは、ライセンシング業界のパイオニアとして40年以上のキャリアを持ち、これまで「業界初」の事案を多く手がけてきました。とりわけ、商品に初めて商標のライセンスを取り入れた人物として評価されています。また、小売直接取引(DTR)の活用(Kマートとホワイト・ウェスティングハウス間で50億ドルの契約)や、コブランディング契約(エディー・バウアーとフォード・エクスプローラー)を初めて行った一人とされています。フェルドマンは、1970年半ばにコーポレート・ブランドをライセンシングに活用し始め、ライセンシングがブランドそのものと利益とを成長させる「魔法の道具」であることを世に広めました。1986年にLMCAを設立し、AT&T、クラフツマン、デルモンテ、フリジデア、HP、 インガソール・ランド、モービル・コーポレーション、スナグル、21クラブ、トレーン、3M、ユナイテッド航空、ウェスティングハウス、アメリカ糖尿病学会、サンディエゴ動物園等々、経済界やレジャー業界の有名ブランドをクライアントとしてきました。
フェルドマンは、LIMAの理事会の前メンバーであり、LIMAの2つの委員会で活動したほか、ライセンシング・エグゼクティブ・ソサエティ(LES: Licensing Executives Society)及び国際商標協会(INTA: International Trademark Association)の会員でもあります。米国商務省のニューヨーク地区輸出審議会(NYDEC: New York District Export Council)と知的財産権管理研究所(Intellectual Property Management Institute)の役員であり、ライセンシング・ジャーナルの諮問委員会にも参加しています。フェルドマンは、LIMAが中国に初めて派遣した代表団のメンバーでもあり、LIMAがアジアに進出し、ライセンシングを広めるのを助けました。
デル・フラノ
フラノは、音楽ライセンスとマーチャンダイジングの世界では正にレジェンドであり、小売向けの音楽アーチストのライセンシングが数十億ドル規模の世界的ビジネスに成長するうえで主導的役割を果たしました。40年以上の長きにわたるキャリアの中で、ビートルズ、KISS、マドンナ、U2、AC/DC、ジャスティン・ティンバーレイク、ジェニファー・ロペス、マイケル・ジャクソン、レッド・ツェッペリン、ワム!/ジョージ・マイケル、シャキーラ等々、音楽業界の超有名アーチストたちをマーチャンダイジングやライセンシングに結び付けたほか、ローリング・ストーンズ、ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョエル、バーバラ・ストライザンド、プリンス、エアロスミス、ティム・マグロウ、ザ・フーといった音楽界のレジェンドたちの、コンサート会場用マーチャンダイジング・プログラムを展開してきました。
フラノは、スタンフォード大学卒業後の1974年、サンフランシスコのベイエリアで、グレートフル・デッドの絞り染アパレルやポスターを、レコード店やマリファナ販売店向けにライセンスするところからキャリアをスタートさせました。トップ・アーチストたちの間近で働くことで、キャリア初期からライセンシング分野での可能性を認識していたフラノは、ライセンシングによりアーチストたちのブランドを築き上げるという戦略を広げてきました。ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック、ブリトニー・スピアーズ、ランDMC、ジェシカ・シンプソン、セリーヌ・ディオン、オズボーン・ファミリーのリアリティTV番組、ウッドストック、ジョン・レノンのイマジン・チルドレン・シリーズ、マイケル・ジャクソンのミステリー・ドリンク・プログラム、スティーブ・マーティンの「ワイルド・アンド・クレイジー」シリーズの商品、マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」ブランド、ジャネット・ジャクソン、MCハマー、オジー、ポリス、リリックス・オブ・レノン・アンド・マッカートニー、ピンク・フロイド・ザ・ウォール等の大がかりな小売向けブランディング・プログラムを世に送り出してきました。
フラノは現在、2013年にロサンゼルスで設立したエピック・ライツの代表を務めています。エピック・ライツの前は、ソニー・シグネチャーズ(後のシグネチャーズ・ネットワーク)の設立者兼最高経営責任者で、シグネチャーズ・ネットワークをライブ・ネーションに売却後は、ライブ・ネーション・マーチャンダイズの最高経営責任者になりました。
シリル・スペイヤー
スペイヤーと彼が設立したウェイバリー・プロダクションズは、過去50年以上にわたり、母国オランダでライセンシングとマーチャンダイジングの先駆者であり、キャラクターとブランドのライセンシングの第一人者とされてきました。スペイヤーは1967年、商品プロモーションを手がけるところから事業を開始し、出版社のデュピュイやロンバールのためマーシュピラミ、ボリーとビリー、スマーフスやその他多くのキャラクターを扱う、ずば抜けたエージェントとなりました。また、タンタンをエルジェによるコミックを超える存在に至らしめたのも彼の功績です。出版社のオベロンがライセンシング部門を閉じると、ウェーバリー・プロダクションズがこれを扱うようになり、アステリクスとオベリクス、ラッキー・ルークという5つ星クラスのキャラクターの権利も管理するようになりました。また、スペイヤーは、ルーカス・フィルム、ユニバーサル・スタジオ、LCA、EONプロダクションズ(ジェームズ・ボンド)、ロリマー、ユナイテッド・メディア、ZIV、ポーズ、キング・フィーチャーズ、ジム・ヘンソン・カンパニー、ピーナッツ・ワールドワイド、元のチルドレンズ・テレビジョン・ワークショップ(セサミ・ストリート)などとも協力してきました。さらに、ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)やナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)の国際的なライセンシング・プログラムを始めたという功績もあります。
スペイヤーは、東京に本社があるサンリオ株式会社の辻信太郎に続き、海外からライセンシング・ホール・オブ・フェイムに表彰される人物としては2人目となりますが、LIMAの前理事であり、1995年のLIMAインターナショナル・ライセンシング・アワードの受賞者でもあります。
ライセンシング・ホール・オブ・フェイムの候補者は、ライセンス業界において継続的にめざましい貢献をしていなくてはなりません。ライセンシング・ビジネスに最低15年間活発な関与を行い、その貢献内容が現在もライセンシング業界と大きな関係性を有している人物が選考対象となります。
(以上、敬称略)
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